など耳に関する困りごとだけではなく、めまいなども耳が関係する場合もあります。
耳が痛いという場合、原因はいくつかに分かれますが、最も多いのは耳内部に起きる炎症です。
耳の穴の奥にある鼓膜のさらに奥の空間を中耳といいます。この中耳に炎症が生じる病気のことを中耳炎と言います。
中耳炎には様々な種類があります。急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、中耳真珠腫があります。
耳の痛み、聞こえづらい、耳が詰まった感じがする、発熱などの症状がでます。原因は、中耳に膿(うみ)がたまることで症状が発生します。
また、膿が多い場合には鼓膜が自然に破れて、耳から膿が出てくる場合があります。
しかし、鼓膜は破れても再生するので耳が聞こえなくなることはほとんどありません。
滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳という空間に滲出液といわれる液がたまって、音が聞こえにくくなる中耳炎です。この滲出液は元々人間の体の中にある液体です。お風呂やプールの水が中耳という空間に入ったものではありません。耳と鼻をつないでいる耳管という管が正常に機能せず鼓膜の奥(中耳という空間)ににじみでてきた液体成分です。お子様自身が難聴に気づく事はまれですので、上記のような症状がみられたときに、滲出性中耳炎を疑う必要があります。
鼻がつまる、鼻水が出る、くしゃみ、においがわからない、鼻血、鼻が痛い、鼻が腫れている、鼻がかゆい、のどに鼻水が流れる、などの症状が出ている場合は、風邪の諸症状、アレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症、副鼻腔炎、鼻腔内腫瘍、花粉症などの様々な疾患が考えられますので、受診してください。
副鼻腔炎とは、鼻の副鼻腔と言う場所に炎症が起きる病気です。昔は特に、副鼻腔に膿が貯まる副鼻腔炎を蓄膿症と呼んでいました。膿が貯まるほどひどくない副鼻腔炎もあります。
副鼻腔とは、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つです。
副鼻腔炎の原因は、細菌(風邪の後に生じることが多いです)、真菌(カビの一種です)、アレルギー性鼻炎(ハウスダストやダニ、花粉などが原因です)、虫歯など様々です。 その原因によって治療方針が異なりますので、原因にあった治療が必要です。また、年齢によっても治療方針が異なります。
風邪のウイルス感染のあとに続く細菌感染が原因のことがほとんどです。
元々アレルギー性鼻炎をお持ちの方が風邪をひくと、急性副鼻腔炎になってしまうことがしばしばあります。普段はほとんど症状がないアレルギー性鼻炎の方もたくさんいらっしゃいます。急性副鼻腔炎になって初めて、アレルギー性鼻炎があることに気付かれる方も多いです。
のどが痛いことは風邪の時によく経験することです。鼻や口は外から細菌や、ウィルス、ほこりを吸い込みますが、体を守るために扁桃組織が活躍して、免疫力をだします。この際に扁桃組織が腫れて痛みや発熱を起こすと考えてください。細菌に感染してのどが腫れる時には抗生物質が有効ですが 、近年、抗生剤の乱用で抗生剤に感受性の少ない菌が増加しています。その有名な細菌がMRSAです。
普通の方がMRSAに感染して発病することは極めてまれでほとんど心配は要りませんが、適切な抗生剤の投与が重要です。また、ウィルスに感染してのどが痛くなった時には抗生剤は無効です。ある種のものには特別な薬があり、有効とされています。いずれにしても、うがいが有効な方法です。
ちょっとでも風邪が流行っていると思ったら手洗いとうがいをしましょう。
治療は、感染症の知識のある医師におまかせすることを勧めます。また、のどが痛いのが取れない場合は他の疾患も考えられますので 、耳鼻咽喉科を受診したほうがよいでしょう。
声は声帯という2本の白い帯状のひだが、のど仏の奥に位置し、発声時に振動することで声が出ます。
声嗄れは、かぜで咳がひどく出たとき、カラオケなどを歌い過ぎたとき、大声を出しすぎたときなどに経験します。一般に2週間声が嗄れるようなら、耳鼻咽喉科を受診して声帯を見てもらったほうがよいでしょう。
声帯ポリープは血豆状の突出物が声帯にできますので、声が嗄れます。また、長期に声を使いすぎると、声帯ポリポイドといって、声帯が水膨れのようになってしまいます。
どちらも声帯の安静を図った後、改善がみられなければ手術を選択します。
心配の喉頭がんはほとんどがタバコによるものです。耳鼻咽喉科専門医ならば、診ただけで放置しておいてよいものか、検査をすべきものか判断がつきます。
痰に血がまじることがあるときには、一筋血が混じる場合と血液を嘔吐する場合があります。このような場合には、念のため、診察を受けることをお勧めします。のどは食事が通りますが、表面は粘膜という弱いものに覆われているので、刺激によって傷ができて出血することがあります。また、のどに出血をきたすような病気がある場合もありますし、肺に病気があることも考えられます。しかし、大量のアルコールを飲んだあとに嘔吐して胃や食道に傷ができて大量に出血することもあります。
日本国民の約25%がスギやヒノキ花粉症と言われています。
なんと日本人の4人に1人はスギやヒノキ花粉症であり、もはや国民病とも言われています。ここ10年間で約10%も増えており、今後も増加する可能性があると考えられています。
自然治癒(何も治療しなくて、自然にスギやヒノキに対するアレルギー体質が体からなくなってしまうこと)は少なく、数%と言われています。 一度発症すると95%程度の方は毎年のようにスギやヒノキ花粉症に悩まされることとなります。
良性発作性頭位めまい症は、視界が回る、もしくは揺れるといった強いめまいが生じ、それに伴う吐き気・嘔吐の症状が起きます。耳石が管内で移動する半規管結石型と耳石がクプラに付着するクプラ結石型という大きく分けて2種類の良性発作性頭位めまい症があります。
メニエール病とは、耳の奥の内耳にリンパ液がたまることによって生じる病気です。30~50歳代で発症することが多いです。
耳が詰まったような違和感、軽度の聴力低下、回るようなめまい、耳鳴り、聴力の低下などの症状が起きます。一度症状が治まっても再発を繰り返し、その過程で聴力が徐々に低下していきます。
前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)は、突然、強い回転性めまいと吐き気・嘔吐の症状が生じます。安静にしてもなかなか収まりませんが、動くとさらに悪化します。前庭神経炎によるめまいは非常に強く、救急車で病院に搬送される方も多くいます。
耳垢栓塞は、耳の聞こえが悪くなることや、圧迫感、耳閉感、かゆみなどの違和感がおこります。しかし、ほとんど自覚症状がなく、他の耳の病気の診断目的で受診した際に発覚することがあります。
栓塞している耳垢を綿棒や耳かきを使って自分で取ろうとすると、かえって押し込んでしまう場合がありますので、受診をお願いします。
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の音がうまく感じ取れなくなる病気です。原因がはっきりしておらず、40~60歳代に多くみられます。
まったく聞こえなくなる人、高音だけ聞こえなくなる人など聞こえにくさは人によって異なります。
発症後すぐに治療を受けないと聴力を失うこともあります。
急性低音障害型感音難聴は、突然、耳が詰まったような感じがする、聞こえづらい、自分の声が響く感じがする、耳鳴りが生じるなどの症状が起きます。耳鳴りは、ごーっというような低い音で鳴るのが特徴です。
20〜40代の女性に多く見られる病気です。